ダークサイド・オブ・小泉純一郎―「異形の宰相」の蹉跌
「ダークサイド・オブ・小泉純一郎―「異形の宰相」の蹉跌」のレビュー・感想

【ゴシップの作り方が分かる本】
一般的に「○○をしていない」ということは証明が難しく,そのため司法の世界では「疑わしきは罰せず」という原則が存在します.
ただこの原則はあくまで司法の世界でのみ通じることであり,現実世界では人々の心に潜む下世話な野次馬根性が幅を効かせ,何の根拠もない噂話がまるで事実であるかのように広まってしまいます.
本書は,関係者談でお馴染みのフライデーの記者が自身の集大成として書き上げたものであり,その「噂話をそれっぽく見せる技術」には舌を巻くばかりです.
選挙の時には怪文書が...

【唖然とするほかない、冷酷な素顔】
著者はフライデー記者というから、悪意のバイアスのかかった暴露本の類かと思いきや、これは渾身のノンフィクションである。取材した人々との接触に伴う「痛み」を感じさせる筆致は、ゴシップライターのそれとは程遠い。
小泉元首相の人物像は、著者の足をつかった実直な取材によって、徐々に浮き彫りにされる。読みすすむうちに「自分を含めた80%の国民が、こんな人間に少なからず期待をかけていたのか」ということに、いまさらながらショックを受けてしまう。スペイン来訪中に番記者に向けて、酒が入った状態で発せられ...

【緻密な取材の裏つせけを持つルポルダーシュの傑作】
小泉が隠してきた暴力団との関係を取材するために、暴力団だった人に取材しているように、著者は足を使って丹念に問題を追っている。そして小泉がいかに汚れた政治家であるかについて、週刊誌のライターとして苦労した結果が、この本の中に見事に結晶している。記事の多くは週刊誌にまとめた記事に基づいていて、調査報道というジャーナリズムの基本に従い、噂ではない現場調査の持つ説得力に満ちていて、小泉がいかに大衆とマスコミを誑かし、インチキきわまる政治家だったかを実証している。このような新年と執念で仕事をする記者が...

【記者魂が生きている】
情報操作された小泉の人気が余りにね高いので、マスコミはまともな発言をやめてしまい、日本には批判精神がなくなってしまった。そんな中で勇気ある発言をしている著者の存在は貴重だ。この本を注文した人の多くが、この本と『小泉純一郎と日本の病理』の二冊を一緒に読んでいるらしいということは、今の時代にあって正解だと思う。小泉純一郎にはダークサイドが余りにもあるのに、どうして主流のジャーナリストはそれを追わないのだろうと、その記者魂のなさに対して不思議な感じがする。落差は大きい
Amazonで詳細を見る!