小泉の勝利 メディアの敗北
「小泉の勝利 メディアの敗北」のレビュー・感想

【読みごたえある文章】
★文章のテンポがよく、200ページの本でも飽きさせない構成。
★ていねいな取材にもとづいた文章で、読み手には安心感があります。
断定的な表現がよいです。(著者に自信があるとみられます)
(〜ではないか。的な文章は疲れるので)
★過去記事の検証をテーマにしつつも、ちゃんと起承転結がある。
★小泉政権の著者評価を確実に入れ込めている。
メディア人がメディアを批判するという「身内ネタ」でありますが、それに終われば「身内グチ」的になってしまうところを、小泉政権の功罪...

【亜流で異端のジャーナリストならではの自由な手法】
「官邸崩壊」の著者による好著との評判から手にしてみた。
で、なかなか面白い。ルポルタージュとしての本来の成熟度は「崩壊」が上だが、描き出した画像の鮮明さと持続性はこちらのほうが上だ。
「自身の記事を批判するという『自爆行為』」、「自らの失敗には目を瞑りながら、取材対象には匿名で批判を加える報道姿勢」への挑戦が本書の基本構成となっている。即ち、自らの21本のルポを「背景」と「検証」ではさみこみ、事後の観点で洗い直し、再生させている。
本書の趣旨は成功している...

【著者の葛藤が垣間見られる本】
著者の『官邸崩壊』を読んで内容に共感したので、別の著書であるこの本を読んでみた。
内容は他のレビューでも書いてある様に、著者の『その当時の記事』を今、振り返って、その当時の『背景』及び『検証』を書いている本である。
結論から言うと、メディアがその当時書いていた予想記事はことごとく間違っておりそれを今でも認めておらず、その反省なきままに今に至っていると。
著者の言葉を借りると“本当に私が目指したのは、自身の記事を批判するという「自爆行為」によって、日本のメディ...

【小泉純一郎論、出色の一冊】
小泉政権の誕生から終焉までを、自らの執筆記事への反省を込めながら振り返った好著。「権力とメディアの健全な緊張関係」の視点から、自らの執筆記事とその後の検証を対比しながら叙述を進めるというスタイルが、「小泉時代」のある種の熱気と当時のメディア報道への真摯の反省をより際立たせ、一気に読める。これを読むと、小泉さんと安倍さんの大きな違いは、権力闘争の本質(=非情さ)を皮膚感覚として理解し得たかどうか、消化器系のコンディションを十全に保ちつつどこまで孤独に耐え得る精神力を有していたか等々であったことがよく分かる。
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