地政学―アメリカの世界戦略地図
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地政学に興味があるなら読むべき
国際政治学の潮流を説明
現状維持よりも良い4番目の選択肢が必要である
「ないこと」になってる学問
発売日:2004-10
ランキング:38239位

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「地政学―アメリカの世界戦略地図」のレビュー・感想

【地政学に興味があるなら読むべき】
 アメリカの戦略を決定する上で非常に重要な意味を持つ地政学を、アメリカの大学の一般コースのテキストをベースに解説している分かりやすい本である。戦後、平和教育の名の下で日本では大学の教育に地政学が無くなってしまったが、アメリカでは形を変えながらも古典地政学をベースにした教育を行っているとのこと。

 マッキンダー、マハン、ハウスホーファー、スパイクマンといった古典派の面々の主張を地図を使って分かりやすく示した後で、戦後のアメリカ政策を具体的に主導してきた人物やその地政学的思想を詳しく...

【国際政治学の潮流を説明】
キッシンジャーが、米中国交回復の背景を説明するのに際して、アメリカの国益は、『地政学的に考え』ユーラシア大陸(ハートランド)がひとつの勢力に支配されないこと、と定義し、ソ連の中国支配に抗し、それを逆手に中ソ離間を図った、と説明しているのを読んで以来、地政学、という学問体系に興味を持っていた。地政学の定義を論じると複雑になるが、私的には、善悪を廃した、地球全体を考慮した地理的観点からの戦略論、と理解している。

正直、地政学を理解するために手ごろな本はないかと適当に手を取った本だった...

【現状維持よりも良い4番目の選択肢が必要である】
本書の最後で、「地政学から見た日本の未来の選択」は、
1)米国の核の傘の下で保護国を続ける(=日米安保堅持/シーパワー連合)
2)日本が軍事的に独立する。勿論、核兵器は所有(=日米安保破棄)
3)中国の傘の下で保護国になる(=日中保持?/ランドパワーへの組込)
の3つしかないと著者は言う。
しかし、2)は日中に挟まれて日本が戦場となる可能性があり、3)は日本より経済的に劣る国の保護国となる屈辱には耐えられない。そうなると、日本の得意な現状維持・問題先送りに相当する1)...

【「ないこと」になってる学問】
著者の言うとおり戦後の日本で地政学は「ないこと」になってる。
だが国際関係や外交史の海外の名著には地政学の知識が前提になっているものが多く、当然日本人の多くは議論がサッパリわからない。
もうすっきりと認めてしまえばいい、生臭いが日本以外の国は地政学を前提に自国の方針を定めている、と。
著者は結びで述べている通り、この本に著者の主張はない。あくまで地政学の基礎知識を伝えることに徹している。また陰謀論をかなり意識した記述も目立つ。
そして反地政学の立場をいくつか紹介している。 ...