小泉純一郎―血脈の王朝
「小泉純一郎―血脈の王朝」のレビュー・感想

【小泉純一郎という政治家の不自然さを再認識できる良書】
戦後の首相として歴代3番目の長期政権を築きあげた小泉純一郎。近年の歴代総理の中で飛びぬけて高い支持率を維持し、
維持したまま任期満了を迎えた男。だからといって小泉を偉大な政治家だと考えている人は少ないように思われる。
私自身は、在任中から、言葉にできない『違和感』をこの政治家に対して抱き続けてきました。なぜこの男がそこまで支持される
のか?そのモヤモヤ感の正体を本書は明らかにしてくれます。

【面白い。】
小泉政権を生んだ謎の多い3人を取材。
特異な環境が、特異な3人を生み、小泉を触媒に集まり、小泉政権を生んだ・・・。
と、まあ、そんな解釈なのかもしれないけれど、安部政権になり、小泉の奇人さよりも、その業績の大きさが浮き彫りになる今、小泉政権を異形と見ていた自分が、単に先見性がなかっただけのようにも思えてくる。
政権は政策のみで評価される。政権を生み、支えた人達の経歴はおそらくどうでもいい。

【佐野眞一らしい視点で描かれた小泉政権論】
例えば過去の総理大臣が現職だったころ著者のインタビューを受けていたとしたらどうだろう。内容は別にしてもインタビューや会話が成立するのは間違いない。しかし、私には小泉総理が著者のインタビューを受けている姿が想像できない。そして、会話が成立しているところも想像できないのである。なんでも「ワンフレーズ」で片付けてしまう彼のイメージが刷り込まれているからそう思ってしまうのかもしれないが…。
著者は、当時現職だった故小渕総理大臣を描いた評伝「凡宰伝」の中で、記者クラブに属さない雑誌媒体での現...

【小泉を理解する上での必須の入門書】
小泉純一郎という人間を読み解く上で、非常に重要なキーパーソンを奥深く取材し、紐解いていった一冊。
異能の巨漢の飯島秘書官・小泉内閣の生みの親でもある田中真紀子元外相・一切政治の表舞台に出てこない小泉信子(姉)らを、余すことなく分析している。
その手法は、彼らキーパーソンの周辺人物や故郷などを徹底的に取材し、人物像を浮かび上がらせ、十分なリアリティと共に、読者の興味をひきつけて止まない。
中でも、普段マスコミの表舞台に出てくることのない、飯島秘書官と信子姉に...
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